丸玉を磨く
勾玉とはまた別の方法で丹念に加工していく丸玉や数珠玉。ほぼひとりの職人の手仕事によって生産される点も丸玉の特徴だ。
丸玉は大きくなる程に希少性が高まる。石の色がまばらであったり筋が出たりするため、良質な原石を見つけて大きな丸玉を作ることは難しい。しかし、碧玉の丸玉は手間をかけるほど輝き出す石の世界を存分に感じさせてくれるものでもある。
そのプロセスは、丸玉用の原石が置かれた専用の筒皿に、研磨材の砂を少しずつ流し込み、左右対称を目指して形作る。途中、R皿と呼ばれる研磨を使いながら、今度は微妙に大きさが異なる研磨皿で順々に加工を重ねていく。
波動により人間の能力を高め、災いを避け、そして良い結果を招く力があると言われている出雲の青めのう。あらゆる可能性を秘めた人々のために、入念に手磨きされたその輝きは、いつでもそばに置きたい存在感を放っている。